こんにちは。
愛され続けるお店づくりをサポートする税理士の酒井麻子です。

12月16日に政府与党が税制改正大綱を公表しました。
http://jimin.ncss.nifty.com/pdf/news/policy/131061_1.pdf

その中でも飲食店経営者がおさえておきたいところは、やはり消費税の軽減税率です!

 

軽減税率の対象となるもの

平成29年4月1日より消費税が8%から10%に上がる予定です。
この増税に合わせ、軽減税率が導入されることとなりました。
次のものは8%のままとなります。

  • 飲食料品(酒類及び外食を除く生鮮食品・加工食品)
  • 新聞(週2回以上発行される定期購読契約のもの)

 

提供方法による確認

「外食」の定義は、「食品衛生法上の飲食店が、飲食設備(テーブルや椅子)を設置した場所で飲食させるサービスを提供していること」とされています。シーン別に確認してみましょう。

イートイン

飲食設備がある場所、つまりテーブルや椅子が飲食するために設けられている場所で食べる場合には「外食」に該当し、10%が適用されます。

立ち食いそば屋や立ち飲み屋であっても、カウンターとしてテーブルが設けられていれば「外食」です。

屋台

テーブルや椅子が用意されているような屋台(おでんやラーメンなど)は「外食」として8%ですが、そのような設備がなく購入するだけであれば「加工食品」となり8%が適用できます。

出前やケータリング

出前や宅配は「加工食品」として8%になります。
しかし、ケータリングや出張料理などその場で調理・配膳を行うものは「外食」に該当するため注意が必要です。

コンビニ

飲食コーナーがあり、トレーや食器を使い返却が必要であれば「外食」となりますが、購入したものをそのまま飲食コーナーで食べるだけであれば該当しません。
お弁当やソフトクリームを買って、そのまま飲食コーナーでたべるなどは8%です。

フードコート

フードコートは全体として飲食スペースが設けられているため、「外食」に該当し10%となります。
もちろん、たこ焼きやポテトなど持ち帰りとして購入する場合は8%を適用することになるでしょう。

飲み物

酒類は10%の税率となりますが、ソフトドリンクは8%です。そして、ノンアルコールビールも炭酸飲料として8%の軽減税率が適用されます。
出前に酒類が含まれるときは、税率が異なるものが出てくるので注意が必要です。

 

 

経理の問題点

売上

イートインとテイクアウトがある場合、売上を10%と8%のどちらが適用になるかを分けなければいけません。
経理(帳簿)ではもちろんですが、レジなどで把握できるように準備が必要となります。POSレジがない場合には導入の検討も必要でしょう。

※2期前の売上が5000万円以下の場合、計算方法を選択することができます。

 

経費

仕入では8%と10%が混在するようになります。
また、通常の経費でも喫茶店での打ち合わせは10%ですが、会議用のコーヒーなどは8%となります。
新聞図書費でも、書籍は10%、定期購読の新聞は8%となります。

どのような経費があるか棚卸してみましょう。

 

経理方式

消費税の経理方式が税込になっていると原価率の算定などに狂いが出てきてしまう恐れがあります。税込方式で処理している場合にはこれを機に税抜方式へ変更を検討しましょう。

 

付加価値の発見

同じ商品を販売しても、提供方法により税率が異なります。
単純に処理すると、税抜き1,000円の定食を出前だと1,080円、店内だと1,100円という価格の違いが生まれるのです。

つまり、価格の見直しが必要になったり、店内で食べるということに付加価値を持たせる必要がでてきます。持ち帰りや出前では味わえないそのお店にあった価値を見つけ、アピールしていくことも重要となってきます。お店の強みを再確認してみましょう。

 

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