こんにちは。

愛され続けるお店づくりをサポートする税理士の酒井麻子です。
今年もあとひと月ほど。個人事業のお店は1年分の利益を確定申告して税金を納めなければなりません。これを受けて住民税や国民健康保険料なども決定されるので、今年の出費を左右する手続きでもあります。

「 できるだけ税金は抑えたい!!」と思う方が多いでしょう。でも、経費にできるものは限られています。

では、経費にはならないけれど税金を抑えられる支出はないか。一度確認してみて下さい。

 

経費ではない税金を安くするものとは

経費とは、事業から生じた必要な支出です。

今回お伝えするのは、事業には関係なく生活からの支出で税金を抑えられる「所得控除」というものです。

個人事業主だけでなく、サラリーマンなども使える制度ですので、知っているとかなりお得なものです。

所得控除とは、「所得」、つまり1年間の個人全体の儲け=お給料や事業、株の儲けなど全部足したものから「控除」できる制度です。

ちなみに、控除なので儲けがなければ引けません。マイナスになることはないので気をつけてください。

 

税金を安くできる6つの支出

所得控除には、大きくわけて2つます。

  1. 支出をした場合に使えるもの
  2. 該当する人(扶養など)がいる場合に使えるもの

今回は、支出をした場合に使える代表的な5つをご紹介します。

 

社会保険料

会社のお給料から差し引かれる健康保険や年金はもちろん、

国民健康保険、国民年金、介護保険料などが該当します。

国民年金は控除証明書が必要になりますが、国民健康保険は1月から12月に支払ったものを集計していれば大丈夫です。

支払った全額が控除対象となります。

 

医療費

1月~12月に支払った医療費の領収書があれば控除を受けることができます。

一定額を超えた場合、越えた金額が控除されます。

 

生命保険料

生命保険や医療保険などに加入している場合、一定の金額が控除できます。

最高12万円が控除できます。

保険の種類により控除枠があるため、昔の保険しか加入していないのであれば、保険加入の検討もするといいかもしれません。

控除証明書に「旧制度」との記載があるものしかない方は是非検討を。

 

地震保険料

地震保険に加入している方は要チェックです。

5年ごとに加入しているなど今年の支払いはないけどという場合でも、5年のうち今年に対応する分が控除できます。

その際は保険会社から控除証明書が送られてきていますのでご確認ください。

 

寄付金控除

国や地方公共団体などに寄付した場合に控除が受けられます。

公益財団や認定NPO法人に寄付している場合なども控除対象です。

領収書などの提出が必要になりますので領収書をご用意ください。領収書に「所得税法~~条」の規定により寄付金控除の対象ですなどの記載があります。

また、近年話題の「ふるさと納税」も寄付金控除の対象となります。

 

小規模企業共済等掛金

心身障害者扶養共済制度や個人事業主が加入する退職金制度などが対象です。掛金の全額が控除の対象となります。

 

 

税金が発生していなくても申告してい置きたい「所得控除」

もし、住宅ローン控除や源泉徴収が一部還付されるなどで、

納める所得税がない場合でも、所得控除は申告していた方がお得です!!

冒頭にお伝えした通り、確定申告の結果を受けて住民税や国民健康保険などが決定されます。これは、納める税金ではなく、所得控除後の金額から計算されるからです。所得税額だけに惑わされないようにしましょう。

人によって計算に違いはありますが、控除について申告しておくことに損はありません。

6つの支出があるのならば是非申告しておくことをお勧めします。