こんにちは。
愛され続けるお店づくりをサポートする税理士の酒井麻子です。
2年前の売上が1千万円を超えると消費税を納めなければなりません。
この消費税。勘違いされている方が結構いらっしゃいます。
消費税を納めるときは「売上×8%」ではない
『前期の売上が1千万円超えたので、来期消費税の課税事業者になります。』
このように伝えると、「売上×8%」で納税額を計算する方が意外と多くいらっしゃいます。
確かに、「預かった消費税を納めましょう」みたいな感覚があるのでそうなるのかもしれません。
実際は、ご自分のお店も他のお店に消費税を払っています。なので、この部分を納める税金から引くことができます。簡単な式にすると次のようなものになります。
(売上×8%)ー(仕入×8%+経費(※)×8%)= 納税額
※人件費などは除きます
計算方法は2つある
消費税の納税額を計算する方法は2つあります。
まずは、上記で述べたような原則的な計算方法。
そして、仕入と経費部分の消費税を業種ごとに定めた一定の率(みなし仕入率)で計算する方法。こちらを簡易課税と呼びます。
簡易課税における飲食店のみなし仕入率は60%です。
例えば(売上×8%)が80万円だった場合の納税額は32万円(80万円ー80万円×60%)となります。
どちらが得か計算して選ぶ
まずはあなたのお店にとってどちらが得か計算してみましょう。
簡易課税制度は選ぶと2年間やめることができません。設備投資など多額の出費を控えている場合などは要注意です。
なお、簡易課税は2年前の売上が5千万円以下であること、届出を適用したい年度開始前に提出しなければならないなどの決まりがありますので、忘れないようにしましょう。
納税額は年度の途中も把握することができる
消費税の計算方法が決まったら、毎月どれくらい納税すべきなのか確認しましょう。
簡易課税なら売上高に8%を乗じてみなし仕入れ率分を控除すればわかります。
原則課税でも、利益に人件費と減価償却費をプラスして8%を掛ければだいたいの金額がわかります。また、税抜き処理で経理を行えば仮受消費税から仮払消費税を控除すれば概算で算出されます。
決算時に資金繰りに焦るのではなく、いつでも把握しておくようにしましょう。
国税庁HP(簡易課税について)
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/6505.htm