経理を行うときに、いつ売上や経費を認識していますか?
現金主義とは
現金主義とは、その名の通り現金や銀行口座が動いたとき、つまり入金や出金をしたときに売上・費用を認識する方法です。簡単に言えば家計簿のように記録しているとこのようなカタチになります。
しかし、クレジットカード販売をしたときや、ツケで仕入れて月末締め翌月払いをするときなどは実際の販売や仕入・使用の時期とズレが生じます。そこで、収益は実現主義や費用は発生主義という考え方で経理をすることになります。
実現主義と発生主義とは
実現主義とは、売り上げが確定した時点で認識することを指します。
例えば、食事を提供した時点。ここが飲食店での売上です。当たり前ですよね。
つまり、クレジットカードで代金の支払いがされて、現金入金がなくても売上の認識が必要だということです。
次に発生主義とは、ものやサービスを消費した時点で費用を認識することです。
例えば食材やドリンクなどが売れた時点で売上原価として認識し、在庫があれば棚卸資産として繰り越すこと。
おしぼりなどのレンタルは使用した時点で費用認識して、翌月の支払いで認識するものではないこと。
このように、お金のやりとりと収益や費用の認識時点は異なります。
よくあるごちゃまぜ経理でウソの利益
店舗経理に多いのは、現金売上はその日の売上。クレジットカード販売や電子マネーは入金されたときの売上。
そして、経費は支払ったときに認識。
つまり、売上と経費を認識する時点がどれも統一されていなくてごちゃまぜになっていることです。
これでは正しい利益は把握できません。
例えば、家賃の支払いが月末で1日送らせただけでも月の損益はずれてきてしまいます。
これを続けると利益操作すら容易になってしまいます。
もちろんこのようなことは許されません。
会計では「費用収益対応の原則」というものがあり、発生主義での認識はもちろん期間損益を認識することが求められます。
例えば、3月決算の会社が3~5月分の広告をだした場合、3月分までが費用となり4・5月分は前払金として資産(サービスを受けられる権利)になります。
ウソの利益からは次の一手は打てない
会社の状況を常に把握していないで、売上と経費が対応していなかった場合どうなるのでしょう。
●決算まで税金がいくらかかるかわからない
●脱税や粉飾の恐れがある
●費用対効果が測定できない
●お店の強みがわからない
●無駄な経費がわからない
●無駄でなない部分まで削ってしまう
●資金繰りの予測が立たず資金ショートする
このようにデメリットばかりで、次の一手には結び付きません。
回避するためには、お店の売上・経費・資金の流れをつかみ適正な経理をすることが第1歩となります。
まずは現金主義になっていないか確認しましょう。