こんにちは。
愛され続けるお店づくりをサポートする税理士の酒井麻子です。

前回のブログで個人オーナー店の銀行口座を分ける7つのポイントをお伝えしました。
しかし、銀行口座を作っただけではまだまだ資金管理としては不十分です。
お店の運営に大切な資金を管理するポイントをお伝えします。

 

お金が残らない2つの原因

起業したら、通帳を作りなさい。お財布を分けなさい。言われたから通帳作ってお金を分けてみたけれど、売上も利益もあるはずなのにお金がない!!

お金を分ければ必然的にお金が残るのでしょうか。
答えはもちろん「NO!!」です。
では、何が原因か。大きくわけて2つあります。

① お金の流れを把握していない

② お金にルールを決めていない

この2つを解決するには、自分のお店を知ることが大事です。

 

お金の流れを把握する

自店はどのようなに収入を得て、どのような支払いがありますか。

収入は現金ですか、前受ですか、それとも掛けでしょうか。いつあなたのもとにお金が入ってきますか。
次に、支払いは何がありますか。仕入?交通費?消耗品?交際費?ご自身がどんな支払いをいつのタイミングでしているか知っていますか。

毎月出ている固定費や、売上があるときに発生する経費(変動費)は何か明確にわかりますか。この内容は頭で整理するのではなく、書き出しましょう。書き出す書類は「資金繰り表」がお勧めです。

資金繰り表なんて大きな会社がやるものだ。と思っていてはお金がなくなります。お店が続けられるのは、利益ではなく、お金です。お金の流れをしっかりつかむことが大事。そのためには、簡単でも構わないので、資金繰り表を作成しましょう。

 

お金にルールを決める

現金でもらった売上金、レジに入れて、そのまま自分の家計に入れて終わっていませんか。経費も、お財布から出して領収書が混ざっていたり。管理の仕方は人それぞれですが、家計と仕事をわけるルールを作ることが重要です。

なるべく店舗の売上以外は振込を利用してもらう。支払いも引落にするなど現金を持たないことも1つの手です。
店舗の売上金はそのまま銀行口座へ預け入れて、使ってしまうことを防ぎましょう。
次のルールは、事業用資金から家計にまわすお金。個人事業主の儲かった利益は、オーナーの家計に還元したいもの。これを、預金にお金があったらある分だけ、お金を引き出して使っていては垂れ流し状態で資金はなくなる一方です。

1カ月にいくら家計にまわす。預金の残高は常にいくらにしておく。など、ご自身のライフスタイルやお店の資金繰り状況に合わせてルールを決めてみましょう。

 

今回は個人事業を前提としていますが、法人化した方は、法人のお金と個人のお金はかならずきっちりわけましょう。法人の預金から家計費を引き出しては、役員賞与などとして法人税と所得税が課税されかねませんのでお気を付けください。役員報酬をしっかりと決めましょう。