こんにちは。
愛され続けるお店づくりをサポートする税理士の酒井麻子です。

あと1月ほどで今年も終わり。1年分の帳簿付けてないなあと焦る方も多いはず。
いざ、帳簿を付け始めると、これの支払いってどう処理するの?
なんて疑問がポロポロでてきます。

一番の悩みは「勘定科目」。
専門用語って感じでとっつきにくいですよね。
今日はそんな方のために勘定科目についてお伝えします。

 

勘定科目がわからない

勘定科目とは、取引を性質別に集計するための項目です。
もし、勘定科目がなかったら、会社の決算書は取引量に比例して膨大なものになってしまいます。

経費だけを見ても、

電気代 150,000円

水道代  50,000円

電話代  140,000円

切手代  30,000円

葉書代  1,500円



と内容別に増えていく一方です。
これでは取引帳簿と変わらず、経営にも役立ちません。
ですから、「勘定科目」というものを使い性質ごとに集計していきます。

 

勘定科目は5つの種類がある

勘定科目で押さえたいルールは、決算書の作成方法に従うことです。
これは、なにかと言うと、決算書は主に『貸借対照表』『損益計算書』から成り立っています。
よって、勘定科目の性質を貸借対照表と損益計算書に分けることとなります。

 

貸借対照表は、『資産、負債、純資産』の3つでバランスをとっています。
そして、損益計算書は『収益、費用』という2つから利益を算出しています。

これにより、すべての取引はこの5つに分類する必要があります。

 

5つの性質を細分化する

5つに分けることができたら、内容を細分化していきます。
貸借対照表の3つの項目はほとんど簿記で決められたルールがありますので準用します。

問題は損益計算書の『費用』に関する項目。
ここで悩まれる方が多数なのです!!

特に、『○○はなに費になりますか?』というような質問が多いです。

たいした問題がなければ何費でもかまいません。
では、注意するべき問題とは?

◎ 租税公課や交際費、役員報酬など税務上の取り扱いがある場合

◎ 決算書の内訳などで集計する必要がある場合

◎ 明らかに科目の意味が間違っている場合

(電気代を通信費にしたりなど)

 

勘定科目のルールを自分で決める

前述した通り、費用項目については細かな決まりはありません。
経理を効率化するには、勘定科目のルールを会社で決めてしまうことです。

さきほどのような質問を具体的に例にとってみます。

 

Q. ガソリン代は何費になりますか?

A. 燃料費でも、旅費交通費でも、車両費でも、車両関連費でも、ガソリン代でも構いません。

 

という結果になります。
これだとじゃあ何にするのがいいの?と考えてしまいますよね。
だから、勘定科目を考えるときは、先に勘定科目に性質を与えてしまうのです。
そこの性質は、言葉の意味から逸脱せず、会社(経営)がわかるルールを作ることです。

 

今回の例として『旅費交通費』に、次のルールをつけた場合

◎ 移動手段全般とする
車に関することも含むから、ガソリン代も含む

◎ 公共交通機関のみとする
電車、バスなどのみのため、自社用車に関する経費を含まない

いかがですか?結果は異なります。これが会社ルールです。

 

ルールを作る上で大事な2つのこと

会社ルールを作るに当たって、細かくしすぎたり、覚えられなければ意味がありません。
大事なことは金額と継続性です。

◎ 金額

年間の取引金額が1万円未満など事業規模から考えて僅少な場合、その項目を分ける手間の方が経営判断に与える影響よりも大きくなります。

例えば、さきほどの例にとると、ガソリン代を『燃料費』としてルールを作っても、『燃料費』に入る項目はガソリンだけ。その他の車に関する車検代や諸々の経費が、『車両費』として処理されている。この場合、年間のガソリン代を考えて僅少であれば、すべて『車両費』として統一する方が簡単です。

 

◎ 継続性

一番大事なことはココ!今日は『燃料費』、今日は『交通費』など、取引の度に振り分けが異なったり、年度によってルールをコロコロ変えることはよくありません。

適正な経営判断も、前期比較もできなくなります。1度決めたルールは原則として毎期継続しましょう。

 

そもそもどんな勘定科目があるか

なんとなくわかったけど、どんな勘定科目があるのかも知らない。
こんな方は、お使いの会計ソフトにデフォルトされているものを使いましょう。

会計ソフトを使っていない場合、所得税の確定申告書に添付する『青色申告決算書』に記載されている項目を参考にしてみて下さい。あまり難しい言葉はないので怖がることはありません。
そのなかにもピンとくるものがなければ、自分で作りましょう。ただし、自分しかわからない勘定科目ではなく、誰がみても意味がわかるものにするよう気を付けてください。