愛され続けるお店づくりをサポートする税理士の酒井麻子です。

給与計算は外注するほどでもなく、手計算でできるからと言ってご自身で計算されているケースが多々あります。
忙しいオーナーにとっては給与計算は自動化した方がミスも減り効率的です。

 

給与計算は従業員との信頼度

従業員との信頼を深めるにはコミュニケーションが欠かせません。

しかし、従業員はけっこうお金にシビア。
給与計算の間違えは信頼度を下げてしまう恐れがあるのです。

特に、「払い過ぎたから返してくれ」なんて気軽にはできません。しかも、間違えにすぐ気付けばいいですが、何か月もあとに気付くケースもあります。そんなことにならないように、毎月の処理をしっかりと確認していきたいところです。

 

固定給でも支払額は毎月同じではない

お給料は固定給であっても、実は給与計算は2回に1回ほど支給額に変更が生じるのです。では、なぜこのようなことが起こるのでしょうか。

それは、以下のような変化が必ずとは言いませんが毎年あるからです。

  • 所得税率の変更
  • 健康保険料率の改定
  • 雇用保険料率の改定
  • 住民税の決定
  • 社会保険の算定基礎届による定時改定
  • 厚生年金保険料率の改定
  • 年末調整

住民税に至っては端数調整の関係で年2回金額変更となり、そのほかにも昇給による社会保険の等級変更など支給額に影響を及ぼす変更は年間12回の給料で実に6回以上もあるのです。

 

年末調整で調整できるのは所得税だけ

お給料は年末調整で調整できる方多少間違ってもなんて考えていませんか。

年末調整は所得税の年税額を計算して清算するものであり、社会保険料について計算しなおすことはありません。そして、社会保険料の徴収額が変われば所得税にも影響してきます。

社会保険料は毎月納付するものですので、毎月の計算をしっかり確認しましょう。

 

社会保険料の預りが合っているかは納付額と照らし合わせる

私たちが社会保険料の預り額の違いに気付く一番の資料は社会保険料の納付内訳からです。

原則として健康保険料と厚生年金保険料は会社と折半なので、預り額と納付額の内訳が一致していない場合に間違えが発見されます。つまり、納付月に気付くことが多いため、経理処理が追いついている会社であっても給与支給からタイムラグがあります。これが経理がタイムリーでないと気付くのも遅くなります。

これによって、社会保険料の負担を会社が多くしているケースもあり、経費負担が増えてしまっています。

 

給与計算ソフトの導入を検討しよう

給与計算ソフトを導入し、うっかり確認ミスを減らしましょう。特に最近はクラウドによるソフトが充実し、毎月の対応がとても早くなっています。また、固定給以外の場合は特に勤怠管理の集計も必要になってくるため、勤怠管理システムや管理方法の見直しを検討することもお勧めします。

給与計算を外注するという方法もありますが、最低でも1万円程度のコストがかかります。給与計算ソフト自体は月額2千円~程度のものが多く、手計算からの移行であればソフトの導入で十分対応できるはずです。しかも、コストが増えると考えがちですが、実際は計算の手間が減り時間的コストの削減につながります。