こんにちは。
愛され続けるお店づくりをサポートする税理士の酒井麻子です。

 

わからないことは専門家に聞け!
2月の連載は外国人を雇用するときに、知っておかなければならないことがあります。
それが「就労ビザ」
聞いたことはあるけどよくわからないという方も多いのが現状。
行政書士の鳥居さくら先生の連載第3回は「外国人を雇用したい~パート・アルバイト編~」をお送りします。

 

最近では、街のコンビニや居酒屋で働く外国人の方を多く見かけるようになりました。
専門知識や技術を要しない職種に外国人が就き、パートやアルバイトにて収入や報酬を得る場合、一般的には以下の2つが考えられます。

 

①第1回の「在留資格と『就労ビザ』」でお伝えした、「居住資格」に該当するビザを持っている人たち。

「永住者」、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」、「定住者」に該当する人たちで、身分又は地位に基づく資格のため、いわゆる単純労働に従事することも可能です。

 

②「資格外活動」の許可を持っている人たち。

原則として、外国人はその与えられている在留資格に該当する活動以外の活動を行うことはできません。
しかし、「資格外活動」の許可を申請し、法務大臣の許可が得られれば、一定の範囲内において、当該在留資格に該当しない活動を行うことができます。

  • 留学生
    ・・・週28時間、夏休み等は1日につき8時間以内(ただしパチンコ等を含む風俗営業は×)
  • 外国人の家族滞在者
    ・・・週28時間
  • 「技術」のビザを持っている外国人が、週末に翻訳、通訳の仕事をする場合等
    ※報酬を受ける活動であっても、業として行うものではない臨時のものについては、資格外活動の許可を受ける必要がありません

 

例えば、アルバイトの面接に来た外国人留学生がすでに「資格外活動」の許可を持っているかいないかは、その留学生が所持している「在留カード」の裏面下欄に記載されていますので、そこで確認をすることができます。

※「在留カード」とは、平成24年7月9日から外国人登録証明書の代わりに中長期滞在者の外国人に交付されている、顔写真入りのカードです

 

仮に、「資格外活動」の許可を持っていなかった場合でも、「資格外活動」の申請は少ない書類と日数で取得可能です。
外国人留学生等をパートやアルバイト等にて雇用する場合には、必ず「資格外活動」の許可を取得するようにしましょう。

 

ここまでは、外国人を雇用する場合のビザのチェックポイントを見てきましたが、最終回の次回は、「日本で起業したい!ビザを取得することは可能?」をお送りします。

 

第1回 外国人を雇うなら知っておきたい「ビザ」と「在留資格の関係」

第2回 外国人を正社員として雇うときの審査チェックポイント

第4回 外国人が日本で起業するための許可基準

 

プロフィール

 

鳥居さくら

行政書士 鳥居さくら
(東京都行政書士会、アルバ国際行政書士事務所)

 

【 経 歴 】
上智大学文学部史学科卒業、ロンドン大学大学院(University College London)地理研究科環境社会学修士課程修了。
帰国後、都市計画・まちづくりコンサルタント会社、環境系の非営利団体にて勤務。
そこで企業・行政・市民をつなぐためには、法律知識が極めて重要であり、問題意識やトラブルの種はあっても、実際に何か問題が起こってからでないと動けないという、もどかしさを感じるようになる。

そんな中「予防法務」=未来に向かう法律専門職に興味を持ち始め、ロンドン留学時代に知ったイギリスのSolicitor(事務弁護士:法廷には立たないが一般の法律相談や書類の作成・管理を行う)に近い概念である「行政書士」になろうと決意。

試験合格後、都内の行政書士事務所勤務を経て、アルバ国際行政書士事務所を開設。

 

【 資 格 】
・行政書士
・東京入国管理局長届出済申請取次者
・個人情報保護士

【 趣 味 】
・登山(お気に入りの山域は奥多摩と北アルプス→下山後温泉♨→ビールで乾杯♪)
・お酒(ジャパニーズウイスキーを応援!日本酒も大好きで冬は熱燗ばかり♡)

【 ホームページ 】
http://www.alba-international-as.com