平成26年から事業を行う個人の方は、「帳簿の記録・保存」が義務化されました。
これは、確定申告の有無に関係なく、個人事業主が対象です。

義務でなくても、お店の状況を把握するには帳簿が必要です。
開業したら帳簿付けを始めましょう!

そして、いまから帳簿をつけなくちゃとそろそろ焦っている方も多いはず。
でも、いざ始めようと思うと、「?」にばかり出会います。

そんな帳簿の疑問TOP3をまとめてみました!!

 

帳簿の疑問 トップ3

第1位 帳簿ってどんなもの?

 

第2位 何が経費になるの?

 

第3位 領収書がない場合はどうする?

 

そう、意外と帳簿自体がわからない方が多いのです!!

 

 

帳簿とは?

帳簿とは「取引を記録するノート」です。
しかし、単純に記録するというわけではなく、簿記というルールに従って記録していきます。

通常、青色申告では「複式簿記」と言われる方法で行ないます。
「複式簿記」とは、複という字が使われている通り、複数の書式を連動して帳簿を作ります。
反対に1つの帳簿しか使わない「単式簿記」というものもあります。単式簿記は家計簿に似た形です。

 

単式簿記

このように、取引の内容と金額を書いていくのみです。
でも、これだと現金で支払ったか、銀行からなのか、クレジットカードなのかわかりませんよね。

 

そこで登場するものが、「複式簿記」で使われる「仕訳」というものです。

 

複式簿記

 

仕訳にしてみると何で支払っているかなどが明らかになりますね。
さらにこの仕訳から、勘定科目ごとにまとめていくものが、総勘定元帳と呼ばれます。
こうして、帳簿が複数連動するものを「複式簿記」と言っています。

ちなみに、「帳簿入する」という意味で「簿記」といいます。

 

どんな帳簿がある?

帳簿には「主要簿」と「補助簿」というものがあります。
「主要簿」とは取引があるごとに必ず記入する帳簿です。
複式簿記には必要となりますので、最低限押さえておく必要があります。

 

「主要簿」には、次の2つがあります。

● 仕訳帳

日々の取引を仕訳という形で日付順で記載します。

● 総勘定元帳

仕訳帳の内容を転記して、勘定科目ごとに集計していくものです。

 

一方、「補助簿」とは、すべて必要なものというわけではなく、
必要に応じて作成する帳簿になります。「主要簿」の内容をより詳細に示すものです。

 

 

補助簿には例として、下記のようなものがあります。

● 現金出納帳

現金の取引と残高がわかるものです。

● 売掛金元帳

得意先ごとの売上、入金状況を把握する帳簿です。

● 商品有高帳

商品の在庫状況がわかる帳簿です。

 

そのほかにも「補助簿」は沢山あります。ご自身に必要な帳簿を作成しましょう。

 

どんなものが経費になる?

「これは経費になる?」「あれは経費になる?」といざ帳簿を付け始めると誰もがつまずきます。

実は、所得税法では必要経費についてしっかりと規定されているのです。
そこで、経費になるものは次のものになります。

  • 売上に対応する売上原価と売上を得るために直接要した費用
  • その年において生じた販売費及び一般管理費その他業務上の経費の額

 

つまり、事業に直接関係があり、業務の遂行上必要なものということです。
プライベートなものはもちろんNG。
また、家事上の経費と関連する自宅の光熱費などがある場合には事業と家事を客観的に区別しなければいけません。
このような経費を必要経費にする場合には決まりがあるので注意しましょう。

 

そして、個人事業主の場合にはご自身や家族に対する給料が原則認められていません。
家族を雇っているときは青色申告の承認を受け専従者とするか、白色申告の専従者として控除を受けることになります。
いずれも「専従者」でなければならないため、たまにお手伝いする家族へのバイト代などは含まれません。

 

領収書がない場合はどうする?

帳簿を作ろうとしたら領収書がないものがあった。
そんなときは慌てず、まずは支払いがわかるものを探しましょう。

例えばETCならクレジットカード明細。
ネットショッピングなら注文受付・入金確認などのメール。
suicaの交通費なら履歴印刷。

などなど。まずは証拠探しです。
「いつ、いくら、誰に、何のために」支払ったかがわかるものを探してください。

もしこのようなものがない、切符代や慶弔費などがあるようでしたら「出金伝票」など支払証明書を作成し保存しましょう。